THE TALISMAN タリスマン 1984
キングと親交のあった作家ピーター・ストラウブとの合作。
作業の分担ははっきりとは決めず、執筆は交代でおこなわれた。
 あらすじ 
ジャック・ソーヤは癌に侵された元B級映画女優の母とニュー・ハンプシャー州にあるアルハンブラ・インに滞在していた。
ある日、遊園地で出会った放浪の黒人ミュージシャンであるスピーディに、母の病症は母の分身であるテリトリーの女王の病気が原因であり、女王の命を救うためにはタリスマンが必要だと教えてもらう。
12歳のジャック・ソーヤは母の命を救うため、たった一人でタリスマンを探しにテリトリーへと長い旅に出る。

テリトリーの世界での権力者であるモーガンはジャックの叔父の分身者であった。
モーガンは女王亡き後の地位を狙い、ジャックを妨害すべく叔父と共に執拗にジャックを追いかけ始める。
ジャックはモーガンと叔父の手から逃れるためテリトリーと現実の世界を行き来する。12歳の少年でしかない
ジャックの旅は苦難の連続だった。テリトリーは未知の異世界であり、現世は車の運転も出来ず金もないため
移動手段はヒッチハイクとなり、わずかの金を得るためのあては胡散臭い店でのアルバイトだった。

ヒッチハイクの旅はやがて警察に見つかり、ジャックは保護され児童施設に送られる。
だが、この児童施設の実態はカルト教団であった。
狂気のガードナー牧師の下から逃げ出すことに成功したジャックは、テリトリー内の焦土を蒸気機関車で越え
西海岸にたどり着きタリスマンを手に入れた。

 用語解説 
テリトリー
ジャックが住むアメリカのパラレルワールドのような異世界。現実が砂漠地帯のところは、テリトリーでも砂漠(焦土)である。
ファンタジーの世界ではあるが、中世時代ぐらいの科学進歩。
現実からテリトリーに移転すると、持ち物は全てテリトリーの物へと変わってしまう。
衣服はテリトリーの衣服へ、お金はテリトリーのお金である棒切れに。
逆にテリトリーから現実に持ち帰った物は、現実の世界の物へと変更される。

分身者
テリトリーの世界には、現実世界の人間の分身が存在している。
テリトリーで自分の分身が死ぬと、現実世界でも死んでしまう。
なかにはジャック・ソーヤのように分身者が存在しない人間もいる。その人間は現実世界とテリトリーの世界を行き来することができる。

旅の手段
飛行機が一番、最速に目的地へたどりつけるが、もしテリトリーの世界にトリップしてしまうと、向こうには飛行機に変わる物が存在しないため転落死することになる
12歳の少年であるジャックが、広大なアメリカを横断する手段はヒッチハイク。
中には少年性愛者もあり、いろいろ危ない目にもあう。
現実の世界 テリトリーの世界
1 アーケイディア・ビーチ(架空の町)
アルハンブラ・イン
女王ローラ・デラシアンの宮殿「夏離宮」
2 両手村
3 オーバーン
「ザ・ゴールデン・スプーン・ダイナー」で皿洗いのアルバイトをする。
4 オートリー(架空の町)
「アップダイク・オートリー酒場」
居酒屋
5 市場町、西にひとつの村、塔
6 アンゴラ
ジャック、テリトリーから戻ってきた時の町
7 ゼーンズヴィル
ジャックが黒人に出会った町
8 ルイスバーグ
休憩エリアでモーガンに出会いテリトリーに逃げる。
女王の牧場
ジャック、女王の家畜の番人をしているウルフと出会う。
9 マンシー
ジャックとウルフが映画館に行った町
10 ケイユガ
サンライト・ホーム所在地
ガーゴイルが監視人の刑務所
11 スプリングフィールド
リチャードの寄宿学校
辺外境停車場
12 ポイント・アヴェニュー
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